基塾長の成績の上がるブログ

名張市内で唯一無二の新型「自立教室」を開塾

安心してください。新聞記者も英語が読めません。

f:id:motosh51:20181226075602j:image

当塾では「冬のプレミアム学習会」真っ最中です。きのうものべ11人の生徒さんたちががんばっていました。

高校受験対策のため過去問に取り組んでいる生徒たち。なかなか英作文ができない生徒がいます。問題文に「弟(her brothe)を紹介する」と書いてあるのに「I」を主語にしてしまっています。それはまだいいのですがいきなり「They」が主語になったりしています。正解は「He taught math for me yesterday.」でした。なかなか難しい構文です。

me の前に来るのが to なのか for なのかわからなかったらこの方がいいかもしれません。「He taught me math yesterday.」

英検4級を目指す中学生。一年生なのでまだ学校で習っていない文法が目白押しです。でもなんとかヴォキャブラリーをつけて乗り切ろうとしています。

ところで、FBのMLBのグループに属しているのですが、そこで問題になった記事がありました。

マリアノ・リベラ氏野満票で野殿堂入りならず…米記者 クローザーの過大評価を指摘し票入れずと明かす(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

スポニチの記事のようです。「バルー記者は決してリベラ氏の満票での殿堂入りを拒んだわけではないとしながらも、公平を期するためにすべての候補者に票を入れず、“白票”としたと記事は結ばれていた。」

詳しいことは省きますが、MLBの殿堂入りは75%以上の投票で決まります。今年候補になっているマリアーノ・リベラが、もしかしたら満票で当選するのではないかと言われているのですが、この記者が「白票を入れる」といったので「満票にはならない」というのがこの記事の趣旨のようです。

しかしこの記事の元ネタを読むと・・・

Bill Ballou: Mariano Rivera not getting this writer's Hall of Fame vote - News - telegram.com - Worcester, MA

「Thus, I’m not voting this year. A submitted blank ballot is “no” vote for every candidate, so I’m doing a Switzerland and not sending one at all.」と書いてあるんですね。

これを翻訳機にかけると「したがって、私は今年投票していません。空の投票用紙はすべての候補者に「賛成」投票であるため、私はスイスで投票しますが、まったく投票しません。」となりました。ひ、ひどい訳だ・・・スポニチの記者は翻訳機を使ったのかもしれません。少なくとも原文をちゃんと読めてはいません。 “no”を「賛成」と訳しているのがびっくりしますが、さすがにこの部分だけ翻訳機にかけるとちゃんと「反対」と出ました。全体ではなく、部分的に翻訳機にかけてみることも大切ですね。そこだけ修正すれば、この翻訳でもおおよその意味は取れます。「私は今年投票していません」「まったく投票しません」と書いてあるわけですから、投票自体しないのだと分かるはずです。それを「白票」と捉えたので、変な記事になってしまったのでしょう。

あと、この表現が面白いですね。「 I’m doing a Switzerland」翻訳機はこの「do」の動詞を「投票する」と訳していますが違います。また「a Switzerland」を「スイスで」と訳していますがこれもちがいます。「スイスで」なら「in Switzerland」になるはずです。中学生たちにも「国名の前は in」と教えています。まあ「to」のときもあるんですが・・・。このスイスの前の「a」は、不定冠詞です。つまり「スイス」を固有名詞ではなく一般名詞として扱っているわけです。おそらく比喩的な慣用句でしょう。スイスってどんな国ですか? 「永世中立国」ですね。だから「 I’m doing a Switzerland」は「中立を決め込む」でいいのではないでしょうか。

たかだか野球の記事ですから、多少間違っていても大勢に影響はありません。でも政治的な記事だったら大変なことになります。やはり原典に当たることはとても大切です。

私はMLBの記事は基本的に英語で読んでいます。そのほうが情報が早いですし。今後は「情弱」の意味が変わっていくような気がします。