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2018年に読んだ本ベスト

ウラミズモ奴隷選挙

あけましておめでとうございます。

昨年読んだ本はマンガ15冊・マンガ以外62冊・・・少ないですね。

去年最初に読み終わったのは「カゲロウデイズ」完結編でした。今読んでいるのは「老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る」あと数十ページですが、昨年中に読み終わりませんでした。

「カゲロウデイズ」も生徒の中学生から勧められて読んだのですが、「君の膵臓が食べたい」も中三の受験生たちが読んでいたのを、遅ればせながら読みました。本当に新世代の作家たちですが、なかなか面白く読めました。

マンガでは岡田史子吾妻ひでおの名作が復刻されたのがうれしかったです。特に「スクラップ学園」は、文庫でしか読んだことがなかったので、大判で出てしかも新作まで入っていたのでとてもよかったです。

恋は雨上がりのように」が完結しました。アニメにもなったし、とても楽しみにしていたシリーズでしたので、むしろ完結したのが残念でした。

山川直人のマンガはいつも心の奥底に響くのですが「ハモニカ文庫と詩の漫画」が文庫にまとめられて今年の収穫でした。

「ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所」は、ぶっ飛んだミステリで、それがありなら何でもアリになってしまうと言えるのだけれど、妙に論理的なのがすごかったです。

ミステリでは「消えた消防車」が、刑事マルティン・ベックの新訳シリーズで楽しみだったのですが、続刊は出ないということでとても残念です。

コルタサルの「動物寓意譚集」がしっかりまとめられたのが嬉しかった。それぞれの作品は雑誌やアンソロジーで読んでいたのですが、こうして一冊になると読み応えがありました。

レムのコレクションも読み続けたが「主の変容病院・挑発」がホロコーストをテーマにした処女作と最新作のカップリングで、一貫した思索と表現の進化が読み取れました。

「花便り」は「みおつくし料理帖」の後日譚で、楽しみに読んでいたシリーズだったのでとても嬉しかったし、単なるエピローグではなくこれだけでも物語として成立しているところが作者の力量の凄さだと思いました。

米澤穂信の新作はさすがと言えました。これもシリーズ化するんでしょうか。「古典部シリーズ」の新作も早く読みたいところです。

筒井康隆の「不良老人の文学論」も追悼文だらけでしたが、戸川純の「ピーポー&メー」も追悼文だらけで、自分の歳を感じるところです。

そして何といっても日本の問題点を純文学で主張し続ける笙野頼子の最新作「ウラミズモ奴隷選挙」が圧巻の地獄図会でした。

ということでベストランキングは下記のとおりです。

1「ウラミズモ奴隷選挙」笙野頼子

2「スクラップ学園(完全版)」吾妻ひでお

3「君の膵臓がたべたい」住野よる

4「ピーポー&メー」戸川純

5「ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所」ダグラス・アダムズ

6「花便り」髙田郁

7「主の変容病院・挑発」レム

8「動物寓意譚集」コルタサル

9「本と鍵の季節」米澤穂信

10「ハモニカ文庫と詩の漫画」山川直人