2019年に読んだ本のベスト(4~6月)
「天の声・枯草熱」「大失敗」スタニスワフ・レム
新学期の初めころは、ポーランドの偉大な作家レムの長篇を読んでいた。
どれもこれも人間や科学の限界をとことんまで突き詰めて描いている。レムはこのあと人類の未来像を描けないという理由で小説を書かなくなる。絶望の始まり。
「よろめき動物記」手塚治虫(奇想天外文庫)
手塚治虫の珍しい大人向けマンガ。動物に仮託して人間を風刺することはよくやっているけれど、ナンセンスな味も。奇想天外文庫も今はない。
「ヒッキーヒッキーシェイク」津原泰水 ※
ひきこもりたちを集めて「不気味の谷」を越えるというのは見せかけで、実は・・・
ラストが「おわり」でも「つづく」でもないのがサイコーだ。
「少女庭国」矢部嵩
絶対にありえない状況下での思弁小説。それが少女たちの友情のありかたに帰結するところがすごい。
以上6月まで。この時期は少ない。(※印は当塾で貸出可)