基塾長の成績の上がるブログ

名張市内で唯一無二の新型「自立教室」を開塾

2020年に読んだ本

なんだかこのブログ、去年以来ですね。他の記事はほかのところに書くようになっているからですが、1年間の読書の振り返りだけはここに書きます。

※印がついているものは当塾で貸し出しできます。

「絶対城先輩の妖怪学講座」峰守ひろかず

が完結しました。初期の風刺のきいた感じが徐々に薄まったのが残念だが、最後まで楽しめるシリーズだった。

「転生! 太宰治佐藤友哉

下らないけれど面白かった。続編はいまいち。

「劇場の迷子」戸板康二

ここまでくるともうミステリではないとも思うけれど、どんどん面白くなる。今年の初めの方は「中村雅楽シリーズ」で愉しめました。

「巴里マカロンの謎」米澤穂信

このシリーズあまり好きでないと思っていたけれど、やっと面白さに気づきました。成長できない思春期というものもある。

「アクタージュ」宇佐崎しろ

現代版ガラスの仮面。未完となってしまったのが悔やまれます。

「ほしとんで」本田

俳句と現代の若者の言語感覚との相克。俳句入門漫画としてもいいのでは。

「永遠の森」菅浩江

素晴らしいラヴストーリー。

写真屋カフカ山川直人

失われ行くものへの挽歌。書店もなくなる。悲しみ。

銀河英雄伝説田中芳樹

久しぶりの読み返し。ノヴェルズ版7巻の170ページに美しい場面がある。美しくない国に誰がした。アレだよな。

「T島事件」読坂雄二

この作家で読み残していたもの。他のも読み返した。ぎりぎりのところで現実にとどまる超虚構性のあるミステリ作家。

「会いに行って」笙野頼子

描かれる藤枝静雄は私が高校生の頃に私淑した作家のひとり。そして現代作家の最高峰ともいえる著者の、最新傑作。

おおきく振りかぶってひぐちアサ

このシリーズも相変わらず面白い。ルール説明以外の付録もほし。

「チョンキンマンションのボスは知っている」小川さやか

学術的なエッセーにもかかわらず、小説よりも面白い。

「氷の海のガレオン」木地雅映子

これも読みこぼしだった。すさまじい傑作。

「水晶内制度」笙野頼子

復刊に合わせて再読。ここから「ウラミズモ」が始まった。今こそ読むべき。

「日々是好日」森下典子

映画化するようなチャラいエッセーと思って避けてたのが、これがなんと味わい深い。

「水を縫う」寺地はるな※

大傑作。面白いだけでなく軽やかな解答がある。本年中学入試の大穴かも。

「冬の蕾」樹村みのり

私も知らなかった憲法秘話。必読。

「小説禁止令に賛同する」いとうせいこう

厭世的かつ幻惑的。この作家は「想像ラジオ」以来確かに変わった。

坂田靖子のクリスマス★マニア!」

坂田靖子をずっと読んで来てよかった。幸せのアンソロジー

2019年に読んだ本のベスト(10~12月)

 

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10月以降 ※印は貸出可

「Iの悲劇」米澤穂信 ※

敬愛する作家の最新作。IはIターンのIであると同時に、ある仕掛けにも引っかかっている。ミステリとしては、真の名探偵は実は・・・というパターン。ミステリに文学の力を与え続けている第一人者の新しい成果である。

「シンコ・エキーナス街の罠」バルガス=ジョサ

ジョサの作品がどんどん翻訳されてうれしい限り。暗黒街と政治がテーマ。語り口はいつものように鮮やかとしか言いようがない。

ゆるキャラの恐怖」奥泉光

この作者の中の最もお茶らけたシリーズなんだけれど、実のところサタイアの塊だったりする。去年大問題になった教材会社(この小説の中ではペネッセとなっている)と政府の癒着がここですでに描かれていることに驚く。貧困問題も。

「奇跡の経済教室」中野剛志

珍しく小説以外のものを。え、だって中3で習うやん? なんて思うわけだけれど、こんなことも分らない人が国の中枢を担ってるってんだから大したもんだ。

「ツナグ 想い人の心得」辻村深月 ※

映画にもなった大傑作の続篇。この設定があれば、いくらでも書けるはずなんだけれど、大事に大事に書き継いでいるのが分る。冒頭でいきなり「え?」となるが、実はこれは登場人物紹介だった。あと「〇〇がない」話しもあって、テーマが深化している。

「キャットニップ3」大島弓子

綿の国星でつかまって以来(本当はそれ以前から)の長い付き合いなんだけれど思えば遠くへきたもんだとの感に堪えない。猫をはじめとする動物たちを人に見立てて書き始めたときはメタフィクションの新しいやり方だと快哉を叫んだものだけれど、あの頃この作者はまだネコを飼っていなかったはず。付き合いが深くなればなるほど猫は猫として描くしかないということになってきたようにも思う。この巻では、老いと死が大きなテーマになっているだけに身につまされる。

「イヴリン嬢は七回殺される」スチュアート・タートン

あまりにもややこしいミステリと言われているけれど、私にはそうでもなく、むしろこの設定がワクワク感をもたらした。ただし、折り返しについている部屋割り表にメモを書きながら読むくらいはしないと理解できないだろう。

「ゲームの王国」小川哲

SFだと思って読み始めたら、上巻はマジックレアリスムで、下巻はメタフィクションだった。つまり大好物。そしてラストがいい。これしかない。

おおきく振りかぶって32」ひぐちアサ

リアル高校野球小説として始まったこのシリーズを読み続けているのは、常に新発見があるから。野球以外も楽しい! と言うキャプションが言い得て妙だ。イイネ青春。

「さらにいくつもの映画のこと」こうの文代・片渕須直

映画「この世界の片隅に」の原作者と監督の対談。え、そうだったのと言う新発見が原作にも映画にもまだまだある。原作は元々読んでいたのだけれど、三年前の映画化のときにやっと気づいたこともあったし。メイキングの映画も見てきたが、「さらにいくつもの」ヴァージョンはまだ見ていない。いつ行けるかな。

「至高の妄想」巻上公一 ※

私淑しているミュージシャンの「はじめての詩集」元が歌詞だけに、歌が聞こえてくるかと思いきや、全く違うものが聞こえて来た。素晴らしい現代詩集と言える。

以上で去年は終り。

 

 

2019年に読んだ本のベスト(7~9月)

 

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後半に入ります。※印は塾内貸出可です。

「ビビビ・ビ・バップ」奥泉光 ※

 同じ作者の「鳥類学者のファンタジア」の続篇と言えばそうなんだけど、ずいぶん趣が違う。VRやロボットや猫が乱れ飛んでの大スラップスティック。しかし肝要なところはジャズ的に押さえているという快作。

「想像ラジオ」いとうせいこう ※

連載していたのは知っていたのだけれど、こういう作品ではないと思っていた。当事者でなくても語れるのか、と言うことをメタフィクションと言う実作で示した傑作だった。震災後の純文学の在り方として、多和田葉子の「献灯使」と双璧。

「ダブ(エ)ストン街道」浅倉三文

これももっと違う作品と思っていて、読まずにいたのをようやく読んだ。ありえない場所にこそありうべき世界はあるという永遠のテーマを、具体的でありながら超抽象的に描いて見せる。しつこくしつこく彫りこんでいった世界像の先にこそ、センティメンタリズムが存在しうる。

「世界のすべての七月」ティム・オブライエン

これも落穂ひろい。ヴェトナム戦争をリアルにした功績大の作家が、それ以降の大人たちの生き方を思弁してみせた。人生の黄昏を迎えた私にとってはもう過去の世界なのだけれど、やはり生の意味を考えざるを得ない。

「リトル、ビッグ」ジョン・クロウリー

さらにファンタジーの大傑作の落穂ひろい。なんで今まで置いてたかなあと思うほどだけれど、いま読めて幸せだともいえる。現実の地繋がりにこそ幻の世界は存在する。そしてそれは言語によって描きうることを証明してみせた。

以上9月末まで

 

2019年に読んだ本のベスト(4~6月)

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「天の声・枯草熱」「大失敗」スタニスワフ・レム
新学期の初めころは、ポーランドの偉大な作家レムの長篇を読んでいた。

どれもこれも人間や科学の限界をとことんまで突き詰めて描いている。レムはこのあと人類の未来像を描けないという理由で小説を書かなくなる。絶望の始まり。

「よろめき動物記」手塚治虫(奇想天外文庫)

手塚治虫の珍しい大人向けマンガ。動物に仮託して人間を風刺することはよくやっているけれど、ナンセンスな味も。奇想天外文庫も今はない。

「ヒッキーヒッキーシェイク」津原泰水 ※

ひきこもりたちを集めて「不気味の谷」を越えるというのは見せかけで、実は・・・

ラストが「おわり」でも「つづく」でもないのがサイコーだ。

「少女庭国」矢部嵩

絶対にありえない状況下での思弁小説。それが少女たちの友情のありかたに帰結するところがすごい。

以上6月まで。この時期は少ない。(※印は当塾で貸出可)

 

 

2019年に読んだ本のベスト(1~3月)

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去年はつらい年だった。別れが続いた。でも、本を読んでいるときだけは心安らかだったのだと思う。

それでも読んだ本は多くない。83冊+マンガ13冊。漫画を読んでない理由は節約のためと言うのが大きいかも。小説などは買わなくても図書館で読める。

5段階で評価しているので、5をつけているものを上げていく。

(※印のものは当塾で貸出可)

「早朝始発の殺風景」青崎有吾 ※

新年の読書は、この青春ミステリの傑作から始まった。年末に読んだ「本と鍵の季節」(米澤穂信)と対をなす。高校生たちの甘くて苦い青春と謎。

「創作の極意と掟」筒井康隆

座右の書として置いているが、ほとんど読み返していない。創作するだけでなく、読書をするうえでも重要な内容が書かれている。

「ボスたち」バルガス=リョサ

読み逃していたのをようやく読んだ。リョサ節は懐かしいくらいだ。

「小説・映画ドラえもん・月面探査記」辻村深月 ※

マンガのドラえもんは昔読んでいたがそれほど印象に残っていないが、私より少し後の世代にとっては共有知のひとつになっている。それを直木賞作家辻村深月が書くとどうなるか。素直に楽しめる傑作になっている。映画は見ていない。

「怪盗ニック全仕事6」ホック

価値のないものしか盗まない怪盗ニックのシリーズもこれで完結。シリーズ物の短篇ミステリを得意とする作者の生んだ最大のスターもこれで見納め。全作品を翻訳・集成されたことには大きな意義がある。ハウダニットホワイダニットを「怪盗」と言う線で結んだ本格ミステリ

既にサム・ホーソンものとサイモン・アーク物は完結しているが、大物ではレオポルド警部シリーズが残っているので次はこれが出ると嬉しい。ジェフリー・ランドものも出してほしい。

原書で読めよと言う声もあろうが、実のところ本国でもEQMMなどに載ったのち、本にまとめられていないものが多い。日本語で一番まとまって読めるのだ。

「あきない正傳 金と銀 六」高田郁

江戸時代に女性が商人として活躍することの困難さと、それを打ち破っていくことの痛快さを描いている。実はこの作者の作品はフェミニズム時代劇ともいえる新ジャンルである。次の七巻は二月ころに出るらしい。

「キャッツアイ」フリーマン

古いミステリで今でも好んで読むのが、ソーンダイク博士の事件簿。科学捜査のはしりで、いまとなってはもちろん捜査方法は古いんだけど、その科学精神はすばらしい。

珍しく活劇要素もある傑作。キャッツアイと言うのはもちろん宝石の名前。

深夜食堂21」安倍夜郎

読み続けているマンガの少ない例。この味わいは何物にも代えがたい。単なる「泣かせ」でも「あるある」でもないのに、感動してしまう。軽すぎも重すぎもしないそのまなざしに要因があるのかも。

「ねこの小児科医ローベルト」木地雅映子 ※

絵本。子供向けと言うより親向けなのかもしれない。作者自身の経験を踏まえて、それをネコ小説に昇華している。この作家の新作もまた読みたいな。

「SFショートショート傑作セレクション・未来編」 ※

「SFショートショート傑作セレクション・ロボット編」 ※

今は懐かしい日本SFの傑作を収録。中学生辺りに読んでほしい。心の揺さぶりとリテラシーが未来を作る。

アウシュビッツの図書係」イトゥルベ ※

辛いときに心のよりどころとなるものは「図書」であることを如実に表している。アウシュビッツ絶滅収容所のようなあまりにも過酷な状況は、もはや昔話ととらえられかねないけれど、今の日本がそうなりつつあるのもまた事実だ。

以上1~3月分

イチローの英語力

イチローのスピーチ。Lの発音もしっかりしてたし、リエゾンも滑らか。

中3以上ならたぶん理解できそう。読んでみてください。

 

Thank you. I am so nervous. Okay,let’s do it.

Dee(Gordon),Yusei [Kikuchi],no crying tonight. No crying.

This is a happy occasion. When I retired that night in Tokyo,I had an incomplete feeling because the great fans of Seattle could not be there. Tonight I want to express my appreciation to you for your touching support over the years.

When I came to Seattle in 2001,no position player had ever come from Japan before. The one you got was 27 years old,small and skinny,and unknown. You had every reason not to accept me.

However,you welcomed me with open arms and you have never stopped,even when I left and came back. I was so grateful for the chance to return in 2018 and the reason is you fans.

Thank you Seattle.

I also appreciate the fans across America who supported me in New York,Miami,and even in many places as a visiting player.

Baseball is truly a national pastime in America and I was so happy to play in front of the people who love and respect the game so much. It has been an honor to play baseball with and against some of the greatest competitors I have ever known.

They inspired me to raise my game to a higher level.Now,I have the pleasure of spending time with these young and talented players who will bring the franchise a championship.

Despite the language and culture gap,not to mention an age difference,of 20 years,I enjoy being around them because I feel their passion for the game I love is genuine.

As I look back to my career,if there’s anything that gives me pride,it is that I overcame the daily challenges and had equal passion for each day,from the first one in 2001 to the last one in 2019.

As we enter the final days of a long season,every player should remind himself what does it mean to be a professional. These last days are just as important as the first ones and all those in between.

Every day you need to go about your business with the same passion. That is the greatest gift you can give to your performance and to the fans who come to enjoy this special game.

To the Seattle Mariners organization,I am forever grateful to you for giving me the chance to play the game I love in the city I have come to love. Thank you also to my family for your endless support.

Now,let’s play baseball!

cornって何だっけ

"We have excess corn in various parts of our country with our farmers because China did not do what they said they were going to do. And Prime Minister @AbeShinzo, on behalf of Japan, they're going to be buying all of that corn." — President @realDonaldTrump https://t.co/cqRTDeKZLR

 

アメリカ大統領のツイート

翻訳ソフトで下記の通り

コーンって何かの比喩かと思ったら

実際のトウモロコシなんだ

 

「中国は彼らがやろうとしていることをしなかったので、私たちは農民と一緒に国の様々な部分に過剰なトウモロコシを持っています。そして、日本を代表して@安倍hin三首相は、彼らがすべてのトウモロコシを買います 」 —プレジデント@realDonaldTrump https://t.co/cqRTDeKZLR